「古典・名著」コーナー

古典・名著を紹介しているコーナーです。

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★日本のかっこいいヒーロー

★「四人称」と言われる書き方

★打開のヒント

★互いに幸福感を感じる

★ゲーテによる教養小説

★大正ロマン好きにはたまりません

★怪奇、狂気、不気味な世界

★人間とは何かを知るうえで至極の作品

★天才鴎外の心を感じる名作

★教科書で習った歴史とは違った視点

★余りにも有名な中国の古典

などなど

おすすめの古典・名著を紹介していただきました。

いくつ時を重ねても変わらない、
そんな人間の根本をつく名作たち。

ぜひ参考にしてみてください。

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ただ風のまにまに

古典・名著

ツルゲーネフの『はつ恋』は、女性は自分の女性的価値、男性は情欲の達成を重要視していることを改めて思い起こさせてくれる。

16さいの主人公ウラジミールの内面は、非常に率直に雄弁に描かれているので、彼のことは容易に理解できるが、相手の年上の令嬢ジナイーダを取り囲む他の男性陣は、ジナイーダの自尊心の象徴か、道化師のようにしか描かれない。
ウラジミールはまだ幼く、未来は全くの未知数故に恋に溺れても自尊心を見失うことは無いが、ウラジミールの父親はジナイーダとの関係性こそ読者に多くを委ねているが、傷付けられたであろうことは何となく想像出来る。

要するに、まだ16さいのウラジミールには21さいのジナイーダの女心は複雑すぎたのであり、ジナイーダには取り巻きの大人の男性の情欲と言ったものは、上辺でしか理解することは出来なかったのだろう。
しかし、この『はつ恋』は最後まで詩的で瑞々しい表現で貫かれていて、それがこの青春の物語に一層の深みを与えているように思えます。

みーちゃんさん 55歳 男性

味わい深い訳の文章に、のめりこむ。

古典・名著

近代国家への途上にあった日本の、古い、美しい、霊的なものを求め続けた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。

小泉八雲の鋭い洞察力と情緒豊かな才筆が最も生かされた訳の本だと思われる。

不思議な出来事を通して描かれた、旧き良き日本。
その「良き」を、含蓄ある訳で味わい、心に滋養を与えてあげよう。

雪見酒さん 51歳 女性
小泉八雲に、今さらながら沼っている、1工員です。

キング絶賛の伝説の名作

古典・名著

あのスティーヴン・キングが「一種のヒーロー」と呼ぶジャック・ケッチャムの代表作。といっても、ベストセラー作家というより、恐怖とサスペンスのジャンルでカルト的な人気のある作家らしい。私も、余りにも空恐ろしい小説なので、また直ぐにケッチャムの別の小説を読みたいという気分ではない。

小川の岩の上でザリガニを捕まえている12歳のデイヴィッドが、年上の美少女メグと出会う場面が爽やかで美しい。メグは妹と一緒に、またいとこのルース・チャンドラー家に引っ越してきた。ルースの家はデイヴィッドの家の隣りだ。メグは両親を自動車事故で亡くしていた。ルースには3人の息子がいて、夫とは別れている。息子たちやデイヴィッドに、「誰にも言うんじゃないよ。」と気前よくビールを渡すルースをデイヴィットも好きだった。

ルースはメグのどこが気に入らなかったんだろう?女として魅力的過ぎたからかもしれない。この「誰にも言うんじゃないよ。」が数週間に渡る監禁地獄となる大きな要因となるのだ。

みーちゃんさん 54歳 男性

イマジネーションと不条理の始まり

Audible(オーディブル)聴き放題 Kindle Unlimited (読み放題対象) 古典・名著

誰もが知ってる夏目漱石の短編集。鎖国が解かれて西洋の個人主義や心情を描く文学が入り始めた時代な訳で、他の作家の作品を読むと、夏目漱石がいかに現代に通じる作品を生み出せていたかがわかる。しかしその夏目漱石であっても珍しい、リアリズムではなく幻想ファンタジー。「こんな夢を見た」と始まる夢を語ったファンタジーが10作続いている。どの夢が気にいるかは人によるところだが、非常にレベルが高い。

poohymcaさん 55歳 男性

色彩と気分のシンクロ

Kindle Unlimited (読み放題対象) 古典・名著

芥川龍之介の『蜜柑』は教科書に取られることも多い短編小説ですが、授業で習うときは意欲も削がれがちなので、改めて読み直すことをお勧めします。と言ってもあっという間に読める掌小説ですが。モヤモヤと陰鬱な思いを持ち続ける知識人の心象風景と目に見える風景が辛気臭くシンクロしてはじまるが、そのうちイライラが募るような出立の娘が乗ってきてまたイライラ。それがみかんのオレンジにパッと切り替わり、エンディングを迎える。綺麗な起承転結と色彩に打たれる作品。

poohymcaさん 55歳 男性

三国志を読まれても、、コミック三国志を読まれても良いと思います。

古典・名著

タイトルを聞いた事のない方はおられないと
思われる余りにも有名な中国の古典です。

多分、、これ以上の古典はないんじゃないか
と自分は思います!

三国志演義は、、
出版していない出版社はないんじゃないか
というくらい多数出版されていますし、、

三国志も多いですね。私は実家に挿絵の
全くない分厚い本があったので、
それを読んだのですが、、

本当に、面白いですね!

横山光輝氏がコミックでも描いておられますし、
こちらを読まれても良く理解できると思います。

主要登場人物は100人を超える物語ですし、
三国志演義と三国志は違う部分も多くて人に
よっては別物のような解釈をされる人も
おられるので、、難しい!

でも、、大方のストーリーは、、人々にとても
愛される、諸葛亮公明の頭脳、劉備玄徳のお人柄、
関羽張飛の義兄弟の絆、武功、趙雲のカッコよさ~

どれを読んでも大筋は同じで感動物だと思います。

映画化もかなりされていて、一体何本映画観たのだろう
と思いますし、Three Kingdoms という
95話という壮大な中国ドラマ~全部視聴しました!

原文に忠実とは、、あまり言えなくて
突っ込みドコロが多くて、、三国志ファンとしては
実の所納得が行かない部分も多いのですが、
次から次へとドラマ化や映画化されて世に出ているのも、、

三国志演義がそこまで人の心を掴んで離さない
名作だという事だと思います。

三国志の中にある諺や格言が日本でも日常的に
使われたりしてますし、兵法からも学ぶ所が多い、
大変為になる古典だとも思います。

さくら咲くさん 46歳 女性

土地に歴史あり、人間井伊直弼を思う

古典・名著

教科書で習った歴史とは違った視点から迫る
歴史は史上における価値観や評価が真逆に
なることがあります。

歴史ものや時代ものは書き手によってまったく
異なる物語になるので、読者である自分は
いったいどうジャッジしたらよいか分からなく
なってしまいます。

昨年彦根城に出かけたことがきっかけで、
井伊直弼に興味を持ちました。

恐怖政治のイメージでしたが、舟橋聖一が
華やかに人間くさく、魅力的な物語に仕上げて、
歴史小説の面白さを教えてくれました。

その時代に一緒に生きているような感覚に
引き込まれ、古臭く感じませんでした。

激動の時代、その時その時で苦悩し、
苦労してきた人物の物語を読むと前に進む
勇気をもらいます。

これから様々、お好みの作家による時代ものを
読んでみようと思いました。

彦根城にも再度訪れてみようという
楽しみができました。

北嶋寧子さん 63歳 女性

天才鴎外の心を感じる名作です

Audible(オーディブル)聴き放題 Kindle Unlimited (読み放題対象) 古典・名著

高校時代にはじめて読みました。

しかし、その時、何を感じ取ったのか
全くおぼえていません。

いい本だ、好きな本だ、大事な本だ
ということが残っていただけです。

ずっと気になっていていつか
読み直してみたいと思っていました。

今回、ひと仕事が終わって、
落ち着いたので手に取ってみました。

やっぱり名作、天才鴎外の作品だ
と感動しました。

細やかな心、時代背景、日本人なら
ではの歴史的遺伝子を感じる感性。

読み終えて、充たされました。

何かと多忙な日々、不透明な日々の中で、
この古典を味わえるとしたら、それは自分が
穏やかで心の持ちようが間違っていない状態に
在ると思えました。

古典は豊かさを与えてくれることを
あらためて感じました。

sukoさん 62歳 女性

物語、ここにあり。

古典・名著

登場人物の特徴が鮮やかであり、展開される
ストーリーの精巧さはまさにシェイクスピアの真髄。

人間関係を見通す登場人物たちの言葉は
まさに「物語」そのものです。

閉塞する今の時代、クリエイティブとは何か、
人間とは何かを改めて知るうえで至極の作品は
やはりシェイクスピアにあります。

カントさん 35歳 男性

怪奇、狂気、不気味な世界、江戸川乱歩

Audible(オーディブル)聴き放題 Kindle Unlimited (読み放題対象) 古典・名著

江戸川乱歩の中短編集。

表題作、『鏡地獄』の結末は狂気。

有名作品の『人間椅子』は終始不気味。

『芋虫』もう題名から怖い。

以上三作品だけでも心に堪える。

が、他にも江戸川乱歩代表作がずらり。

文章は読み易いので若い方にもおすすめ。

忘れた頃に再読するたび寒気立つ、そんな本。

パトリックさん 38歳 女性

ちょっと不思議な夫婦

Audible(オーディブル)聴き放題 古典・名著

好きなアーティストがこの作品をテーマに作った
楽曲を聴いたのがきっかけで原作を読んでみました。

真面目な男性が歳下の小悪魔的な女性に翻弄され
破滅していくというあらすじからマゾヒズムの象徴の
ように捉えられる事が多いようですが、令和を生きる
私からすると譲治は身勝手なモラハラ夫、ナオミは
女性蔑視の激しい時代に恵まれない育ち方をしながらも
上手く男を利用してたくましく生き延びた性的魅力に
溢れる女性に見えます。

おそらく老若男女で受ける印象が大きく異なる事でしょう。

内容はもちろん、読んだ人の感想にまで
興味を惹かれる味わい深い作品だと思います。

建物や食べ物、服装の詳細な描写も大正ロマン好きには
たまりません。

やみさん 34歳 女性

匂やかさ──ぜひとも若いうちに読んでほしい教養小説

古典・名著

タイトル冒頭の「匂やかさ」はドイツ文学の泰斗、
手塚富雄先生による評から学んだものですが、まさに
その表現がぴったり来るのがゲーテによるこの教養小説です。

主人公のヴィルヘルム・マイスターが挫折を重ねがら
成長していく物語で、私は45年ほど前の学生時代に
読んで深く感銘を受けました。

とりわけ全8巻中の第7巻の冒頭にある言葉

われわれが出会ったことはことごとくあとを残すもので、
知らずしらずのうちに教養に貢献するものです。

しかし、それを自分にむかっていちいち
釈明しようとするのは危険です。

そんなことをしたら、あなたは得意でなげやりになか、
あるいは意気阻喪して臆病になるかです。

そしていずれにしても将来のさまたげになります。

いちばん安全なのは、目の前にあるもっとも
手近なことだけをやることです。(関泰祐訳)

に心打たれました。

以上は自分が親しんだ昔の訳本から引用しましたが、
現在入手しやすい山崎章甫訳(岩波文庫)も名訳ですので、
とくに若い方にぜひともお薦めします。

ラベンダー・オラフさん 67歳 男性

人は何故甘えるのか?

古典・名著

英・仏・独・伊・韓国語にも翻訳されています。

私は「甘え」の正体を知りたくて読みました。

欧米には「甘え」という単語はなく、
フロイトなどが「同一化」を表す単語を用いています。

「甘え」という単語が存在しないので、日本でいう
「甘え」という感情を自覚したり理解したり出来ず、
「あなたは自分の感情のコントロールが出来ていない」
と表現する女性の例が書かれています。

日本での「甘え」を著者の土居健郎氏は、一つの
集団への依存や受身的愛情希求(つまり愛されたい)、
一体化、独占欲といった言葉で置き換えています。

欧米では、個人の自由といっても個人が個人のままで
自由なのではなく、所属集団と本来関係のない別の集団に
参加することで、はじめて自由を獲得する。

つまり日本のように一つの集団に依存せず、
然るに神に依存しているのではないか。

半世紀以上前に書かれた本なので、現代の日本人は
マルチに活躍したり、独立して起業する人も
増えているので、最近「甘え」という言葉をあまり
聞かなくなりましたが、脳科学の研究が進み、
脳の伝達物質の一つのオキシトシンが、
コミュニケーションやスキンシップなどで活性化され、
互いに幸福感を感じるといわれています。

しかしこれは、相互に合意がなされたものに限られ、
著者のいう「甘え」に完全に合致はしない。

むしろ、一定の力を持つものが支配欲を武器に、
我儘に相手を操ろうとすることが、現代においても
「甘え」と言えるかもしれない。

みーちゃんさん 53歳 男性

今まさに読み返す本

古典・名著

戦争や異常気象そして3年目に入ろうとしているコロナ、
また円安やインフレなど明日はどうなるのだろうか?

専門家ですら予測不能状態が続く昨今、徒
然草はこう説いています。

どうせ未来のことはいくら考えても
なかなか分るものではない。

分からない先のことを嘆くのではなく、
今を大切に生きようではないか!と。

当たり前のことだが、言われてみれば将に
そこに打開のヒントが一杯転がっている。

むつごろうさん 70歳 男性

文体で勝負できる小説家

Audible(オーディブル)聴き放題 古典・名著

横光利一著の短編小説。

主人公の感情を中心に描かれた小説なのに、
淡々と距離を置いた印象があるのは、句読点と
改行を排したことと、機械的文体を
試したからだろう。

その装置が「四人称」と言われる書き方だ。

物語の時制より未来の自分が書いているのに、
その視点が物語の時制と交わる。

ラストでは過去と今の自分の心情が一致を見せる。

川端康成と並んで新感覚派と言われたが、
横光の方が僕にはあっている。

poohymcaさん 54歳 男性

日本のかっこいいヒーロー

古典・名著

司馬遼太郎さんが坂本竜馬を活き活きと描かれていて
面白いしユニークなエピソードもある。

幼少期、江戸での剣術修行、脱藩、薩長同盟など
それぞれのエピソードが痛快で「憧れのヒーロー」を
思い浮かべられる。

学生の頃に夢中になって一気に読んで、
タイミングが合えば再読したい。

TKさん 40歳 男性

あの昔話がこんなことに!

古典・名著

この本は、日本人に馴染みのある5つの昔話を
ミステリーに仕立てた意欲作です。

あまり期待もせずに読んでみたのですが、
いやいや、これがなかなか引き込まれてしまい、
遅読の私が二日で読んでしまいました。

昔話もこんな風にアレンジすると、
こんなに面白く変換されるんだという
発見がありました。

色んなタイプのミステリーに
組み替えられているので、飽きません。

伏線もしっかり回収されており、
よく練られているなあと感心しました。

一読の価値はありますよ。

抜け作さん 46歳 男性

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