誰もが知ってる夏目漱石の短編集。鎖国が解かれて西洋の個人主義や心情を描く文学が入り始めた時代な訳で、他の作家の作品を読むと、夏目漱石がいかに現代に通じる作品を生み出せていたかがわかる。しかしその夏目漱石であっても珍しい、リアリズムではなく幻想ファンタジー。「こんな夢を見た」と始まる夢を語ったファンタジーが10作続いている。どの夢が気にいるかは人によるところだが、非常にレベルが高い。

poohymcaさん 55歳 男性