横光利一著の短編小説。

主人公の感情を中心に描かれた小説なのに、
淡々と距離を置いた印象があるのは、句読点と
改行を排したことと、機械的文体を
試したからだろう。

その装置が「四人称」と言われる書き方だ。

物語の時制より未来の自分が書いているのに、
その視点が物語の時制と交わる。

ラストでは過去と今の自分の心情が一致を見せる。

川端康成と並んで新感覚派と言われたが、
横光の方が僕にはあっている。

poohymcaさん 54歳 男性