ミヒャエルエンデの、モモや
ネバーエンディングストーリーの世界観の
もとになったといわれる、文豪ゲーテの童話作品です。

格言的な言葉がちりばめられた、ずっと楽しめる童話で、
「星の王子さま」や、ミヒャエルエンデが好きな方には
ツボだと思います。

ゲーテの格言集も良いですが、
童話仕立てにしたところにゲーテの深さを感じました。

おすすめです!

訳者あとがきより抜粋。

この『メルヒェン』は、ゲーテが
『ドイツ避難民閑談集』のしめくくりとして1795年に書いたもので、
後にノヴァーリスの「青い花」からエンデの「はてしない物語」に
いたる多くのすばらしい作品が生まれる、

“創作メルヒェン”というジャンルの原点になった作品です。

『メルヒェン』はその『閑談集』の最後に、
物語り中の物語として登場します。

語り手である老人は、こんな前置きをしています。

「今夜わたしは一つのメルヒェンを語ることをお約束しますよ。

あなた方がそれを聞いて何も思わず、
しかもすべてを思うようなメルヒェンをね」

謎のような前置きですが、
作品自体もそれに劣らず謎めいています。

ですから、『メルヒェン』発表直後から
多くの人がこの謎ときに挑み、無力な大男に
フランス革命軍の姿を見るなど、
様々な試みがなされてきました。

ただ、ゲーテ自身はいくら請われても、
「これはわたしの『黙示録』だ」というばかりで
決して自ら謎を解いて見せようとはせず、
かえって物語の中で、こういっています。

「わたしの物語のどれ一つをも、解釈をしてはいけません!」

けれど、解釈をよせつけないとはいえ、
作品自体は決して難解どころか、その独特の軽みが
発表当時人々を驚かしたといいます。

三たびゲーテ自身の言葉をかりれば、

「二十人以上の登場人物が、このメルヒェンの中で右往左往。
連中は何をやっているかって? メルヒェンを、ですよ、君!」

ハラシムさん 39歳 女性