タイトルの通り、移動することで成功しようという本、に思える。
 実はそれは一部で、全体を通底する主張は、自分の各種属性、後付け設定を剥ぎ取ろうという趣旨の本。移動はそのための手段・プロセスに過ぎない。移動することで、土地からも固定的な職業からも、職場の人間関係からも自由になる。また、移動の自由を確保するために稼ぐことも推奨されている。やや鶏か卵かめいた話だが、筆者の言うとおり、移動にはそれだけのメリットがあるらしい。
 いつもの自己啓発本の読後感のような余熱がこの本にもある。そして移動を実践するにはどこから手をつければいいのかの処方箋も最後の章にある。それは、毎日同じ時間に同じことをすること。結果は重要ではなくそういう習慣をつけることが目的、だそうだ。ともあれ、著者の主張を何度も読み直して自家薬籠中のものにしたり、そのまま真似できたりするか。それがポイントだろう。

やましたさん 男性

移動する人はうまくいく

長倉, 顕太, 1973- / すばる舎 / 2024/4