2016年に大ヒットした『ざんねんないきもの事典』。その後、毎年続編が作られ、
「続・続々・もっと・さらに・ますます・やっぱり・とことん」ときて、
2024年の9巻目『まだまだ ざんねんないきもの事典』で一応進化?は終了したようです。

ことほどさように、残念な生き物は多かったようですが、
それらにはそれなりの残念じゃない理由があったことを主張しているのが本書です。

ナメクジ、ヘビ、アホウドリなどの「みっともない」生き物、
ダンゴムシ、ナマケモノ、カメなどの「にぶい」生き物、
カモノハシ、カバ、タヌキ、アリ、クズなどの「ぱっとしない」生き物、
コウモリ、イエバエ、ゴキブリ、雑草などの「こまった」生き物など30余の事例を解説。

いずれも「神さまはどうして、こんな××××な生き物をお創りになったのだろう」と問いかけます。
それに対し、その理由をわかりやすく説き明かし、
最終的には、すべて「そのままでいいんだよ」と全肯定するのです。

アホウドリは、別名バカドリとも言われ、随分なネーミングですが、
実は、アホウドリはワシよりも風を読む力に優れ、
なんと1万キロ以上も休まずに飛ぶことができるそうです。

ゴルフで、パーより1打少ないバーディ(小鳥)、2打少ないイーグル(ワシ)に対し、
3打少ないすごいショットをアルバトロス(アホウドリ)と呼ぶのはそのためとは
初めて知りました。

ただ、飛ぶこと以外は苦手で、着陸も墜落の如く、地面の上を歩くもの苦手。
人間に容易につかまってしまうので、アホウドリの名が付いたとか。

また、ゴキブリは、驚くべきことに、いまとほとんど変わらない姿で3億年前から地球に存在し、
3回の「大量絶滅」を生き延びてきた「生きた化石」なのだそうです。

そう、ダンゴムシも三葉虫の仲間から、フナムシ、ワラジムシと進化し、
陸上に進出した「5億年の進化の最新形」だったのでした。

本書は、ちくまプリマー新書の一冊。
最後は「あなたもそのままでいいんだよ」と、若い人を励ますメッセージで終わっています。
ひとつひとつの文章が短く、これ以上ないほどやさしく気軽に読める良書です。

ちなみに、著者の稲垣栄洋(ひでひろ)さんは、「みちくさ研究家」を自称し、
雑草研究を専門とする植物学者。
同じくちくまプリマー新書の代表作『雑草はなぜそこに生えているのか』をはじめ、
興味深いやさしい生物の本を多数書かれています。

tomeさん