「テルマエロマエ」で有名になられたヤマザキマリさんの作品です。テルマエ・ロマエが映画化されテレビの地上波で拝見でき、ヤマザキマリの作品全部読みたいと思い読んだ作品の一つです。

古代ローマの世界です。「暴君ネロ」誰もが知っているローマ皇帝の一人ですが、彼の時代がメインの話になっています。プリニウスは博物学者ですが、、大変知的好奇心が強くて子供っぽいお人柄の人物として描かれています。

登場人物も多くて、横文字も多くて、テルマエロマエのように、ただただ面白くてユーモアに溢れているという話ではなく、、けっこう気合を入れて読まなければ登場人物の相関関係が不明になったりするので、大変です。暴君ネロがどう悪政を行ったのか、精神が崩壊して行ったのか、、何故破滅に向かってしまったのか、、かなり突っ込んで描いてあります。現代人が理解するのはかなり難しいと思いますし、何故?ローマを思い市民を思い善政も行った皇帝なのに信頼を置く部下を見誤ったのが悪かったのか、、とても重苦しいストーリーでもあると思います。

日本ではヴェスヴィオ山として知られている火山の噴火が冒頭とラストで描かれています。ストーリー的には最初と最後で矛盾があって、あれ?という感じですがそれも、こちらの壮大な大作の醍醐味だと思います。

暴君ネロについて、益々解らなくなったというのが一番の感想の作品ですが、歴史のお好きな方には間違いなく興味深く楽しめる大作だと思います。

さくら咲くさん 48歳 女性