司馬遷は、宮刑を処せられても
「生き恥をさらす」ことを厭わず、
正義感と執念で「史記」という
歴史書を残した。
勝者も敗者も共に同じ人間であり、
歴史という一つの宇宙を構成している
存在であることを説いてくれた司馬遷の世界を、
武田泰淳の感性がひも解く。
が、何度読んでも理解できぬこと多く
苦渋すること多し。
50年も前に東京の武蔵予備校の
漢文講師であった新垣先生に
授業中に薦められて、それ以来50年かけて
何度も思い出しては挑戦しているが、たぶん
一生の課題としてこれからも読み続けていく一冊。
むつごろうさん 67歳 男性