時間を忘れるほど何かに没頭することをフローといい、ポジティブ心理学では幸福の概念として語られる。

朝井リョウ氏のこの新作では、共感能力が高く、自他の境界が曖昧で、拡大解釈をしがちな熱量の高い気質の人々の視野狭窄による行動心理(中毒症状)を描き、本人の幸福感と他者依存による弊害を示して、フロー体験と過干渉との差異の様なものを、3人の登場人物の物語を交錯させながら描いています。
必ずしも視野狭窄を悪として看做しているのではなく、視野を広げることや社会通念上の普通を満たすことで得られないことがあるとして、それを補うための行動と自分を使い切るまでの推し活を、別居中の父娘の関係性をも通して描くことで、現代の日本社会の風刺になっているようです。

みーちゃんさん 57歳 男性

イン・ザ・メガチャーチ

イン・ザ・メガチャーチ

朝井, リョウ / 日経BPマーケティング / 2025/9