村上春樹氏の小説のファンなので読みました。短いので1時間くらいで読めると思います。お父様のことを書いたと言っても、作者が村上氏なので、ファンタジーな要素もあるのかと思ったのですが、完全なノンフィクションでした。寧ろ、限りなく事実に正確に記そうとしているように感じます。
本文中にも「こういう個人的な文章がどれだけ一般読者の関心を惹くものなのか、僕にはわからない。」とあります。お父様は、3度戦争に招集され生還し、お母様は、結婚を念頭に置いていた相手に戦死されている。結婚後、お二人ともとても優秀な国語教師なられたようですが、お父様は、毎朝長い時間、目を閉じて熱心にお経を唱えていたそうです。
戦争に慣れるにはまず人を殺してみるのが一番だ。と言って、中国人捕虜を軍刀で刺殺させていた日本兵の話があります。この本を読むと、村上春樹氏の父親村上千秋さんの人生を追体験出来ますよ。
みーちゃんさん 54歳 男性