家族の物語というと真っ先に浮かぶのがこの本です。

心の通った家族とは、日々の暮らしの中で
紡いでいく家族とは、と考えさせられます。

なかでも、祖父健吉と加代さんの暮らしは
いいなぁと印象に残りました。

家族の中での役割としての顔と、
一人の人としての姿の絡み合うような描き方は、
向田作品の真骨頂だと感心してしまいます。

いろいろあって、積み重なって、家族の日々がある。

人を思う生き方が、
多様化している家族の形の本質であり、
それは難しいことではないと思いました。

読み終えた時にあたたかい気持ちになります。

北嶋寧子さん 62歳 女性