デザイナー・画家として活躍した中原淳一氏が
創刊した雑誌「ひまわり」「それいゆ」等に
掲載された料理の記事を編纂した本です。

日々の生活に美しさを演出する事を
提唱していた中原氏の美意識は、
ファッションだけに留まらず料理を含めた
生活全般に及んでいた事がよく分かります。

レシピの大半が戦中・戦後の物資の無い時代に
書かれたもので、実際に作れた人はなかなか
居なかったと思われますが、手に入りにくい物は
代用したり、低予算でも食卓を華やかに
見せる工夫がたくさん含まれています。

「サッカリン」「配給」等、
時代を感じる表記も多数あります。

味より見栄えを重視したメニューもあり、
当然ですが炊飯器のような調理家電も無い事が
前提の工程の為、そのまま再現するよりは
アレンジした方が良いでしょう。

特に「苺のコクテイル」
「スイッツァランドストロベリー」が簡単で
美味しく見栄えも良いのでおすすめです。

平和で便利な時代を生きられる事に
感謝しつつ、中原淳一氏の世界を文字通り
味わってみてはいかがでしょうか。

レトロで、でもどこか新鮮な乙女心満載の
料理の数々に中原淳一ファンはもちろん、
レトロ可愛い物好きな方ならきっと夢中に
なれる事でしょう。

やみさん 33歳 女性