この絵本の主人公は、まだ赤ちゃんの弟がいる、小学四年生の少年です。
この少年の心中を占めるのは、いつも、「ひもじい」という空腹です。
その「ひもじさ」が生んだ悲劇。その「ひもじさ」を生み出した「戦争」。
そして、ハッとさせられるのが、「あとがき」にある、戦争をしかけた国のことです。
少年の「ひもじさ」に寄り添っていた読者の心が、我に返る瞬間だと思います。
かつての日本は、今のロシアと同罪だったということに気付くのです。
戦争反対、平和を祈る時、思い出して欲しい1冊です。
雪見酒さん 51歳 女性
猛暑のお盆には、写経して過ごす、1工員です。