1年間の新書本のベストを選ぶ新書大賞をご存じですか?
中央公論社が主催し「有識者・書店員・各社新書編集部・新聞記者など105人」
が選ぶという、わかったようなわからないような選出方法ですが、
2008年から始まりすでに17回を数えます。
ちょっと固めな本、学術的な本が1位になることもありますが、
2016年には『京都ぎらい 』、2018年には、今回ご紹介する『バッタを倒しにアフリカへ』
といった読みやすい本が1位になることもあります。
本書は、何よりも、タイトルからして、面白そうなストーリーが予測でき、
読み始めて1日で読み終えしてしまいました(たまたま十分時間があったからなのですが)。
「ポスドク」問題といって、ポストドクター、つまり博士号を取ったからといって就職は大変という話で、
著者はバッタの研究者として、バッタの害をなくすために、そして何よりも生活していくために、
アフリカに行くことを決意するのです。
当然、予期せぬトラブルがてんこ盛り。
しかし、独特なユーモアある筆致で、著者とともに、ぐいぐいとバッタの世界に引きこれていくのです。
まさに、冒険譚にして空前絶後の就活物語。
その後、著者は、2022年に『孤独なバッタが群れるとき』、
2024年に『バッタを倒すぜアフリカで』を出して、3部作?になっているようです。
ちなみに、2024年の新書大賞第1位は『言語の本質』。
2位には、以前私がご紹介した『訂正する力』が入っています。
tomeさん