『容疑者Xの献身』で有名な直木賞作家の東野圭吾氏の新刊です。好きな作家さんですので作品全部読ませて頂いております。なかなか読んでいる時間がなくて読み終えたのは最近なのですが、かなり好評の作品のようです。
政治家と元人気女優の妻の二人が殺されます。現場はいろいろ不可解な点もあって捜査は難航します。けっこうベタな設定でどの点もどっかの小説で読んだようなデジャブに襲われるのですが、、先がかなり気になってわくわくする展開です。
かなり早い段階で怪しい人物が怪しい行動をとるので、この人が犯人かなとちょっと考えるのですが、タイトルが『架空犯』なので、、多分ミスリーディングだろうなと思いながら読むのですが、、これは読者のほぼ全員がそう思いながら読むので、もっとひねりがあっても、、と思わないではおれませんでしたが。。
主要人物はそう多くはないので、さくさく読めると言えば読めるのですが、捜査の段階で犯人候補がけっこうな数になるので、相関関係を頭に入れるのにけっこう大変な話でした。解決に向かう時の伏線回収は流石に東野圭吾氏だなという展開で、面白かったです。
でも、このストーリーは、ただの殺人事件ではなく、、殺人を犯した犯人よりもその原因となった諸悪の根源の方が、、もっと罪深くて憎まれるのでは、、と思わないではおれない陰鬱な話でした。
さくら咲くさん 49歳 女性