小学校の修学旅行先が、広島だった。
資料館の衝撃的な展示に、夜眠れなかった。
だが、資料館の外の広島の風景は、とても立派で、被爆があったことなど嘘のように綺麗な街だった。
路面電車が戦前と変わらず走り、カープで街は赤く染まっている。
あの惨状から、復活する力が広島にはあった。
悲惨なイメージがどうしても強いのだけど、
ヒロシマを可哀そうな街にするのは間違っているのと強く思った。
修学旅行での思いが、ずっと離れなかった。
そこで、広島の歴史や県民性、経済について書かれたこの本を読みました。
毛利氏や村上海賊の時代、明治期から軍需産業都市へと発展、戦艦大和の建設・・・
豊かな海に面した都市であったが故に、原爆投下地に選ばれてしまう。
「今後70年は棲めぬ」と言われたが、秋には雑草が生え、その雑草を団子にして(鉄道草団子)、
復興のエネルギーとした。
そこで登場している企業が、冷凍パンの「アンデルセン」と、スナック菓子で有名な「カルビー」。
この2社が、広島出身の会社だとは知りませんでした!
かつての造船業は、世界有数のジェットエンジン産業へとなっている。
「おしい広島県」キャンペーンなど、残念・自虐で有名になった広島県ですが、
欧米中心に外国人観光客を集めています。
国籍を超えて、戦争の悲惨さを感じるために、広島を訪れている。
そのことが、希望に感じられます。
マツユキソウさん 29歳 女性