『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作は、ほぼ読ませて頂いております。大概、何でこんな本が受賞するんだ?と思う事はなくハズレはないと思います。
こちらの本は、つい最近出版されたばかりでとても新しいです。ジャンルは「歴史」も大きなウエイトを占めているので「歴史」にしましたが、ミステリー小説ですね。主人公は北京に住む水彩画家の一条氏と中国のラストエンペラー溥儀です。舞台は紫禁城で密室殺人事件の謎を追うという話です。
「ラストエンペラー」は、、相当前の映画で当時とても流行っていて地上波でも何度も放映されているので我々くらいの年代以上の人は観ていない人がいないんじゃいかと思う程の趙大作。。あの映画の主人公溥儀が登場します。なので、ラストエンペラーを知っている世代の人なら、こちらの本は更に楽しめると思います。溥儀が、、まだ幼いのですが、けっこうな人格者という側面を持っている人物として描かれています。正直~ラストエンペラーの溥儀とは随分違って、すごいフィクションだと思わないではいられません。
宦官が登場します。中国の歴史をある程度知っていれば実態をそれなりに知っている人が多いと思うので驚く事とかはないと思うのですが、全く知らない人が読んだらけっこう灰汁が強いかと思います。紫禁城内のしきたりやら溥儀の扱いなど、史実に基づいて描かれていると思いますので勉強になると思います。
展開もテンポよくさくさく読めてとても面白いです。紫禁城で日本人が主人公と言うのも凄い奇想天外な設定で流石に大賞受賞作という感じです。
全くのフィクションではありますが、とんでもない運命を背負わされた溥儀が、こんな一般人と友情を育む事が出来ていたら~フィクションでもこんな普通の幸福な少年時代を送っていて欲しい~などといわゆる願望みたいな感覚も抱けるのも~こちらの本を面白くしている要因かも、、と思います。
日本人の感覚からしたら理解が難しいことの多い中国の歴史ですが、この本はとても読みやすくて面白いのでお薦めです。
さくら咲くさん 49歳 女性




