中学の教科書で読んで以来、後回しにしていた夏目漱石の「こころ」を読みました。夏目漱石は、去年と今年にかけて「それから」と「門」を読んでいたので、20歳くらいの時に読んだ「三四郎」をまた読もうかなと考えていたのですが(この3つは三部作)、「こころ」を前倒しにしました。
明治天皇の崩御の報が伝わる場面があるので、明治の終わりが時代背景になります。この古典文学は、主人公が慕う先生という人物の、自叙伝ともいえる長文の手紙をもって物語を終えるのですが、この手紙の内容と先生の人柄が物語の一番の魅力かと思いました。妻君の過去の記憶を純白のままにして置きたいという理由で、先生は主人公にしか己の罪を告白しないのですが、果たして妻君の方は知らぬが仏という訳にはいかないのが先生には最後まで判らないのです。

「こころ」を読むと、大学生となり高等の勉学をすると実家を離れたがったり、頭が先で「こころ」を複雑にして、終いには死ぬより外にあるまいと考える書生の姿が、様々な日本人の文豪に重なる気がする。

みーちゃんさん 56歳 男性

こころ

こころ

夏目 漱石 / 筑摩書房 / 1985/1/1