初めて絵本の登場です。娘が小さかった頃は別として、最近は、
大人も気になる?ヨシタケシンスケの絵本のほかは、ほとんど読んでいませんでした。
たまたま手にしたのが、鈴木のりたけの『ゆうぐシリーズ』。
彼は近年は『大ピンチ図鑑』の大ヒットで、
ヨシタケシンスケにも負けない人気となっています。

もちろん、書き込み満載で、かこさとしを彷彿とさせる『しごとばシリーズ』も彼の代表作。
しかし、それらの影にちょっと隠れている『ゆうぐシリーズ』も、なかなか味があり、
ヨシタケシンスケの「発想絵本」と同様に、想像力を膨らませるだけでなく、
さらに奇想天外なストーリー展開が続いていくのが魅力です。

シリーズは、『す~べりだい』『ぶららんこ』『すなばばば』の3作だけですが、
いずれも、読んでから公園に行くと、
なんだか、そうした遊具で遊ぶのがもっと楽しくなりそうな気がしてしまいます。
いや、もしかして逆に「そんな展開はありえない」からガッカリしてしまうのかな?

今、手もとにある『すなばばば』は、
砂場の砂が、突然「ばばばばば」と降ってきてあふれ出し、
いろんな方向に展開していきます。
言葉の音・韻・語呂合わせ・大きさの変化などを有効に使い、
言葉も視覚的要素として巧みに表現。
たしか他の2作も同様な楽しさにあふれていました。

ちなみにデビュー作は『ケチャップマン』。今とは異なるちょっとシュールな作風で、
作風の変わらないヨシタケシンスケとは、この点では好対照です。

tomeさん

すなばばば

すなばばば

鈴木, のりたけ / PHP研究所 / 2016/12