昭和の名人といわれる落語家・六代目三遊亭圓生に入門した筆者。その芸は、師匠に惚れて惚れて惚れぬいていたこともあり、完コピともいわれるほど。ミニ圓生と揶揄されることもあった。そんな筆者は、自分に似ているという理由で、師匠から次第に疎まれるようになる。結果、破門に。作品の書き出しに、「師匠が死んだ。嬉しかった。ただ、むやみに嬉しかった」とある。きっと、最後まで師匠に惚れていた自分に気が付いたのだろう。悲しい自伝である。

だんだいさん 67歳 男性