もう10年以上前に出版された重松清の長編小説です。
ハードカバーの上下巻で完結の小説です。

映画化されていて、友人が出演者の豊悦が見たいとの事で、内容を全く知らないで映画鑑賞が先でした。
重松清氏は、、数える程しか読んでいませんでしたが、明るいほのぼの小説の作家というイメージしかもっていなかったので、、衝撃的でした。。

映画を観てから、原作を絶対読まねばという気持ちになり本屋で購入、という運びでしたが、、ムンクの叫びもカスレて見えるほどに絶望的な表紙でした。。
表紙を見て買うの止めた方が身のためとまで思うような迫力です。

兎に角、どうしてこんな風になってしまうのだ?というストーリーで、絶望しかない、救いがない、哀しい、誰もが弱い。。神父役の豊悦も神父なのにやる事なす事マイナスにしかならない。不幸のどん底にいる若者も地獄の中で命を落とす、、
映画を鑑賞した後も相当ズーンと落ち込みましたが、
原本を読んだ後は更に落ち込みました。
だいたい原作通りの映画でしたが、原作の方がはしょってない分、更に細かい所で悲壮なエピソードが盛り込まれています。
中でも、、養女の女の子が里親の男に性的な虐待を受けている、陸上部で活躍の少女なのに交通事故で好きな陸上の道を断たれるという悲運に見舞われる、、
これは、、酷い、、

枚挙に暇がない程、世の中の暗い闇の部分が羅列してあるストーリーで、泣けるという次元を通り越しているような作品です。

重松清氏のかなり異質な作品だと思いますが、
感動作であると思います。

さくら咲くさん 47歳 女性