私の姉には多少の霊感があり、怪異と遭遇したことが時々あった。私は姉とは違い、霊を見たことはなかったが、数年前、1度だけ、ハッキリと幽霊を見た。
それがきっかけで、実話怪談の書籍やマンガを読むようになった。

ご当地怪談が最近好きだが、今回紹介するのは、特殊な職業に就く方々が、職場で体験した怪談。

特殊な職業のことも同時に知ることができるので、興味を持った。

他の実話怪談と異なるのは、怪談を取材した、その際の取材状況や、取材した人物、つまり作者の心情も記されている点で、より、臨場感ある実話怪談に仕上がっていて、より恐怖心をあおられる内容となっている。

マーシャラーから始まり、神主、高層ビル窓清掃、フレーバリスト、樹木医、湯灌師、自動販売機設置業、等々。
それら特殊な職業ならではの実話怪談であるところが、他の実話怪談と一線を画す。

中でも恐怖を感じたのは、恐るべき未来を示唆した怪談や、人間に内在する、わずかな狂気を感じさせるという、単に幽霊を見ただけでは終わらない怪談だ。

特殊職業だけではなく、普通に働いていても、ひょんなきっかけで、読者も体験するかも知れない。
そんな気持ちにさせる内容である。

雪見酒さん 51歳 女性
すれ違い様、「幽霊じゃん!」と気付いた時のあの恐怖は、今でも忘れられない、1工員です。