和歌山の山奥に、廃校跡を利用したニートのためのシェアハウスがあり、
10~40代の男女10数人が、個室を持ちつつ共同生活をしています。
月に1人2万円程度を集め、食費・光熱費に充て家賃はタダ。
最寄りの町まで車で1時間半ですが、ネットも通じ、宅配も来てくれます。
地元の平均80歳台の老人5人とも助け合ういい関係。
暗黙のルールは、月に数回夕食を作る・食器はすぐに自分で洗うくらい。
全自炊。食費が安く済むだけでなく、
ニートに不足しがちな自信という栄養が摂取できるメリットも。

ニートといえば、社会的弱者・社会的敗者のイメージがありますが、
この本を読んで、なぜだかとても魅力的に感じました。
やはり、大自然のもと、
何にも縛られない、その自由さ・気ままさ故でしょうか。

以前、岡田斗司夫の『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』という本を
紹介しましたが、まさに、その実践例のひとつのような気がします。
今の時代「どんな生き方をしてもいい」「どんな生き方でもできる」というお手本かも。
そして、何よりも、読み物として刺激的で新鮮でした。

著者が山奥ニートを始めたのは2014年で25歳のとき。
2017年に結婚し、山奥と街の2拠点生活。
この本が書かれたのは2020年。ネットで調べたら、2023年に子どもができ、
2024年1月、10年にわたる山奥ニートをやめたとか。
ブログにやめた7つの理由が書いてありましたが、
シェアハウスは、中心人物だった彼が抜けても続くとのことで、
入居者募集中です。

tomeさん