嶽本野ばらさんの作品です。YouTubeチャンネル『ほんタメ』で推していたので読みました。
主人公はいわゆるロリコンではなく、ファッションとしてのロリータをこよなく愛する男性作家。このロリータ・ファッションをきっかけに、ある美少女モデルと出会い、ファッションについて会話することで友愛を深めます。
ところが、仕事上の付き合いで行ったバーで先輩作家とトラブルになったことが原因で、二人の関係が世間に報道されます。主人公は作家なので、自分の公式HPに文章で正確に事実を書き記しますが、マスコミは「自分を正当化している」としか受け止めません。
「どうして伝わらなかったんだろう?」…
「僕から言葉を取ってしまったら何も残らない」…
という彼に少女は、言います。
「言葉なんて、思ったことの全部が、伝わらなくて当然なんだよ」…「言葉が気持ちを伝えるんじゃなくて、気持ちを言葉が伝える為に、あるからだと思うの。ーこんがらがってきたけど、いってること、王子たま、解る?」
「解るー」
小説を読んで、言葉より気持ちが大事だと教えられるとは思いませんでした。
みーちゃんさん 54歳 男性