ノンフィクションといえば、社会派で硬派のイメージが強いと思いますが、
ゆるさ際立つノンフィクションなら高橋秀実(ひでみね)さんの右にでる人はいません。
どことなくとぼけた脱力系の作風を、
毒舌書評で知られる文芸評論家(書評芸人との異名も)の斎藤美奈子さんは、
「彼の作品には、いつもどこかでカラスがカーと鳴いているような雰囲気が漂っている」と評しています。
本書は、東大合格者数日本一を独走する開成高校の硬式野球部が、
東東京予選ベスト16に勝ち進んだ謎?を探った実話。
他の部活との兼ね合いで週1回しかグランドが使えない環境のなか、
監督が編み出したのは「ハイリスク・ハイリターン」セオリー。
足りない練習を、いかにして頭でカバーしつつ、ドサクサに紛れて勝つかを描き、
二宮和也主演でTVドラマ化もされた傑作です。
tomeさん