地元の電気店の創業者の評伝ということで読んでみました。
本社が茨城県水戸市で、取手市の自宅から歩いても行ける距離にも店舗があります。関東圏だけでなく、どこに行っても車や電車から大きな赤い看板が目に入ります。
読んでみると、創業者加藤馨とその家族、後を継いだ息子さんからずっと時代に流されず、人として「まとも」な感覚で会社を継続していると思いました。買い物に行った時に感じる雰囲気が経営者側から書いてあって合点がいきました。
お店が身近にあるので、「よく続いているなー」ぐらいにしか思っていませんでしたが、大事にすることからぶれずにやり通すこと、地味だけれど正しく生きることから外れないこと、継続できていることが腑に落ちて納得できました。
日本の戦前、戦中、戦後の時代とともに歩んできた家電販売店の変化もよく分かり、著者の丁寧な取材が光って良本だと思いました。
昌弘さん 78歳 男性