
東野圭吾氏の作品で、『白夜行』に連なる作品ということで読みました。三部作とも囁かれていますが、三作目はまだのようです。
謎の美女、新海美冬が自身の野望の為なら他人の人生を平気で陥れます。その野望がどこから来ているのか、何故そこまでするのかも謎のままです。『白夜行』の主人公が名前を変えてと考えるとその背景は見えてくるのですが、この小説単独では描かれていません。しかし、『幻夜』の他の登場人物は多彩で、彼らの性格や生活といったものは全く異なる面々ばかりなので、感情移入しやすく一つ一つのエピソードに退屈することがありません。
東野圭吾氏の作品は、登場人物が多いものと少ないものなど多々あり、いくつか読んでいますが、この小説ほど人間臭い脇役が多いのは初めてで、700ページを超える長編ですが夢中で読み続けられました。
みーちゃんさん 56歳 男性