人間の幸福感は脳内伝達物質の分泌で得られるもので、所謂幸せホルモンと呼ばれる伝達物質は、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンであるという。

セロトニンは、今ある幸福に対する感謝の気持ちや朝の散歩(日光浴)、運動、十分な睡眠によって得られ、オキシトシンは、他者とのコミュニケーションやスキンシップで得られる愛情ホルモンとも言われ、赤ん坊やペットとの間でも双方に分泌されるという。ドーパミンは、仕事での成功やお金を得た場合などで出やすく、ギャンブルなどの依存症になりやすい性質を持っている。

これらのことから著者は、正三角形になぞらえて、一番下にセロトニン的幸福があり、これを失うと全てが崩れ落ちると例える。真ん中にオキシトシン的幸福があり、一番上にドーパミン的幸福が来るという。つまり、仕事やお金儲けを最優先にして、健康や人間関係を軽視すると、幸福は土台から崩れ落ちる。確かに、いくらお金があっても大病をしたら幸福ではいられないし、健康で成功やお金を手にしたところで、孤独では喜びを分かち合うことも出来ない。

著者は精神科医でもあるので、健康を当たり前だと軽視して、仕事優先で睡眠や運動を怠り、飲酒や喫煙を繰り返してメンタル疾患になった患者を多く診てきたのだろう。孤独は喫煙以上に健康に悪いとも言う。

みーちゃんさん 55歳 男性