著者武藤司郎氏は趣味と本業により知らんうちに日本国内で最もベトナム文化と法律に詳しい男になってしまう。

 そしてやってきたベトナム司法省。
「週休六日でお願いします」(※くんな)
「ʕ•ᴥ•ʔ」

 一度決めたことでもタフに蒸し返すアジアの文化!
 秘書ひとり雇おうにも面接試験なし! 密告があった世界では役に立つのは縁故採用な慣習!

 歴史的背景から各国の法学をごった煮にしたキメラ状態ベトナム法!

 理想と現実入り混じるザインとゾレンな社会。ベトナムでは『家族』が全てで『?!』の連続!

 かつて法を振り翳し大陸で犬と呼ばれた日本人の末裔が、今度は現地の人々の実情にあった法律を作る手助けすべく奮闘する。

 司法省といえば大抵の国では強い。

 しかしマル◯スが『法律は資本家が民を搾取する武器』としていたのでベトナムでは新しい省庁だ。

 司法省駐在だろうが党のえらい人だろうが、『あ、〇〇さんちのハナタレが偉そうになったな』なノリの農民たちはかつてのロシアの農奴たちとワケが違う。

 フランス日本アメリカと外敵の侵略支配を跳ね除け、限界まで引きつけ機関銃で戦闘機を撃墜し、戦車を落とし穴に落として油と火で破壊し、政府がオイタしたら即放送局を占拠し軍とガチバトルする『デモ』を鼻歌混じりにこなす農民なのだ。

 タフなベトナム人に困らされたりそんな人々を愛おしく思ったり。
 好きで夢中な法技術とベトナム周辺地域のために武藤氏は奔走するのだ!

鴉野 兄貴さん 男性