「殺人犯はそこにいる」の清水潔氏の事件ノンフィクションです。
「殺人犯はそこにいる」は清水氏の推理も含まれていますが、先に出版されたこちらの著作は、被害者の友人からの証言から著者が警察やマスコミの先導をきって調べていき、遺族からの信頼も得られて、警察もマスコミも告発の対象になっています。被害者と犯人の最初の接点から、被害者が恐れを抱きはじめ、被害者家族への嫌がらせが始まり、警察に相談する。ここまでは誰にも起こりうることと考えることが出来ますが、警察がしたことは読者に日本の警察に対する不信感を募らせます。そして事件発生からの被害者家族へのマスコミの対応や警察の隠蔽。そして何より、犯人と実行犯は別であり、何故そうなったのかは彼らのバックグラウンドを読めば明確です。
社会人になる前に読むと世界観が変わりそうですし、付き合う人、関わり合う人は極力慎重にならなければならないという学びになります。インターネット社会になっても、社会の闇は深まるばかりかもしれませんね。
みーちゃんさん 54歳 男性