芥川也寸志は、かの文豪・芥川龍之介を父に持つ作曲家です。
多くの名曲を創り上げ著作も多数。
その中の一冊であるこの本はいわゆる一般向けの音楽入門書で、
調性・和声・対位法…といった音楽理論が詳述されています。
しかし何よりも先に第一章で語られるのは『静寂』について。
わずか3ページの文章ですが、
静寂の中にこそ音楽作品の価値が生まれえるという、
クラシック=西洋音楽の成り立ちそのものが
言葉に込められているように感じられます。
今の様々なミュージックスタイルもそれぞれ楽しみつつ、
クラシックを聴く時にこの3ページはとても有用ではないか
と思うところです。
ゆうたさん 32 男性