「贈与」というと、モノやお金、時には名誉なども含めて相手に贈ることを意味しますが、この本で使っている「贈与」という言葉は、享受、さずかる、受け取っていることに気付くというイメージです。
友人から「世の中の見方の視野が広がる、意識が変わる、おもしろい」とすすめられてこの本を読みました。確かに読後は友達に共感するものでした。
贈与は、贈る側と受け取る側があって初めて成立することです。受け取る側が特に大事だということです。
お金で買えない大事なものもあるはず、ということは分かっているつもりですが、やっぱり、そうは言ってもお金がなくちゃ贈りものもできない。贈りものをいただいてもお返しできないから重荷。などと思ってしまい、モヤモヤしながらも妥協し、考えるのを辞めてしまう自分でしたが、贈与のメカニズムが明快な論理で書かれていてすっきりしました。
人との関わり方、生き方にひとつの確信が持てたことは、この本との出逢いのおかげだと思っています。
昌弘さん 80歳 男性