趣味で絵を描くことから、色にも敏感です。

絵の具で出した、あるいは現れた色。
その色の名前を知っていれば、再びその色を出すことも、容易くなるかも知れません。

そんな、世界に溢れた、様々な色。それらを、日本の色の名前を付けて紹介したのが、本書です。

本書の終盤に、江戸中期に、茶色が流行したとあります。
鶯茶、鳶色、雀色。
なぜ、地味な茶色が流行したのか?享保の頃と言えば、分かるかと思います。質素倹約の時代です。
そういった、色が生まれた時代背景も分かります。
色の世界にとどまらず、文学や文化にも、興味が広がるのが、本書の特徴です。

オールカラーですので、探したい色も、一目で分かるようになっています。

素晴らしい、色の世界に、踏み込む入門書としても、専門書としても、優れた一冊だと思います。

雪見酒さん 50歳 女性
日々、新たな色を探求中な、1工員。