サブタイトルに「なぜ人を虜にするのか!?」とある。
教壇に立つ人、コンサートの歌手、映画やベストセラー小説など成功のカギは冒頭部分にあるというのが、この本のキモです。
プレゼンテーションや企画書を書く上で、冒頭で相手の心を掴むことがいかに大切かを、政治家、キャスター、作家が実践例を挙げながら説明してくれる。
市井の会話の例もある。
野球の話である。
古い例で恐縮だが、
「横浜が勝ってるよ」
「何対何」
「3対0。駒田のタイムリー」
「勝負強いなあ」
「もう8回だから、佐々木で逃げ切りだろう」
この、会話では現在、過去、未来が順序よく出てくる。
こうした会話の流れを作ると、人は話を聞いてくれる。
このような身近な話題を散りばめながら、相手に関心を持ってもらう技術を磨くことで、それまで苦手だった報告書や企画書などを書くことを克服できた。谷崎潤一郎、芥川龍之介、島村抱月らの赤面するようなラブレターも紹介されていて、恥ずかしさも薄れた。
そうなると、日々の挨拶にも自信がついたという相乗効果もあったことも付け加えたい。
だんだいさん 67歳 男性