「一万円選書」をご存じですか?
2018年にNHKの番組「プロフェッショナル」でも紹介されましたが、
北海道は砂川市にある、いわた書店の岩田徹さんによる選書サービスです。
書店がどんどんなくなっていくなか、いわた書店も経営難に。
あるときクラス会で、
友人から「自分のためにお勧めの本を見繕ってくれ」と1万円を渡されます。
これをヒントに「商売として成り立つのでは」と思い立ち、2007年からサービス開始。
「選書カルテ」という詳しいアンケートを書いてもらい、岩田さんがそれを読み込み、
その人に合った新刊本約1万円分を選び、本代と送料のみで提供するというもの。
しかし、月に1,2件依頼がある程度で7年が経過。
いよいよ閉店の覚悟をしていた頃、深夜のテレビ番組の取材・放映があり、
それがSNSで広がり、依頼が突然殺到。希望者3000人待ちの状態に。
1日に選書できるのは数人ですので、やむなく募集期間は年に1週間だけに。
しかも抽選。いまや、このサービスのおかげでいわた書店は息を吹き返し、
このサービスが売上のメインになっています。
数万冊の読書量を誇り、いまでも毎日早朝1時間以上のの読書を欠かさず、
依頼者の声に真摯に向き合い寄り添う、岩田さんならではのサービスといえます。
本書は、そのサービスに至るまでの岩田さん半生記のほか、
選書サービスでの依頼者とのやり取りも紹介され、
最後には、岩田さんお勧めの本の選び方やブックリストも掲載されていますので、
次に読む本を探すときの参考にもなります。
私も本書で、新たに4冊の本を読みました。
tomeさん