井上ひさしさんは、2001年に
第71回朝日賞を受賞したときの挨拶で、
エラ・ウィーラー・ウィルコックスという
アメリカの女性大衆詩人の「ソリチュード(孤独)」
という短い詩を引用し、次のように語っています。

悩みごとや悲しみは最初からあるが、
喜びはだれかが作らなければならない
という詩です。

この喜びのパン種である笑いを
作り出すのが私の務めです。

時に不発だったり、時に間に合わなかったり、
なかなかうまくは行きませんが、これからも
笑いをコツコツ作ってゆく決心です。

そのことでこの世界の涙の量を一グラムでも
減らすことができれば、こんなうれしいことは
ありません。

本書は、まさにそのような精神で綴られた
井上さんの珠玉のエッセー集です。

井上ユリさん結びに曰く「全部面白いから。」

ラベンダー・オラフさん 66歳 男性