20数か国語に翻訳された作家・安部公房の名作。

男は砂丘に昆虫採集に行っただけなのに、
砂の中に住む謎の部落の住人達に、
一つの砂の穴に閉じ込められる。

そこには女が一人住んでいて、
この女もこの砂の家を維持するために
男手を必要としていた。

読み手によって色々連想させると思うが、
この不合理な扱いによって、男は完全な
被害者となり脱出を試みたり、露ほどの
可能性に希望と名付ける。

これを読む若い人には、この男を
完全な被害者として憐れむのではなく、
この主人公に感情移入して男が経験することを
自分の体験として読み進めて欲しい。

女性読者は、”砂の女”にも感情移入する
かもしれないが、二人が最後に選択することを、
あなたも選択するであろうか?

みーちゃんさん 53歳 男性