短歌の本です。
筆者はこの本が出版される前に既に他界(自死)されています。

もともと私は、短歌を読んだり
自分でも詠んだりするのが好きで、
短歌本のコーナーで見つけて買った本でした。

読んでみると、筆者とは性別も世代も違うけど、
とても共感できる歌が多数ありました。

日々の生活で心身を疲弊しながらも、
なんとか思い直して、明日も頑張ろう!の繰り返し。

やるせなさを抱えながらも、なんとか筆者には生き延びて、
歳を重ねて以降も短歌を詠み続けて欲しかったなと思いました。

「生きる」ことに答えはなくて、
そこに意味を見つけ出そうとすると、
現実と理想の狭間に歪みが生じて苦しくなる。

その苦しみこそが
心に響く短歌を産み出すんだろうなと感じました。

短歌にあまり興味のない方でも、
パラパラとページをめくって2~3首読まれてみると、
吸い込まれるように最後まで読みきってしまうと思います。

古野ことさん 43歳 女性