けっして、幸せな恋愛小説とは言えない。

でも、読み終わった後に、
読む前の自分には無かった感情を持たせてくれる本だった。

だからこそ、この本はとても印象に残っている。

きっと、その感情っていうのは
読む人それぞれ違うのだと思うのだけれど。
そこらへんにある、所謂普通の恋愛を描いているのではない。

でも、なぜか登場人物を身近に感じてしまう。
起こる出来事一つひとつに私の感情が揺さぶられた。

私がこの本を好きな理由の一つは、
主人公の泉と葉山が禁断の恋をしているにも関わらず、
決して、愚かではない所である。

2人は自分の置かれている状況を正確に認識しているのだ。

その上での2人の関わりがとても人間味のあるもので
私は強く惹かれた。

だから、私は主人公を応援したくなったのだと思う。

王道のハッピーエンドの恋愛小説が好きな私に、
新たな考えを与えてくれた、素晴らしい一冊です。

おかゆさん 21歳 女性