むずかしくこんがらがった心をほぐしてくれます。

大人になろうとしている、少しむずかしくなった心を持て余し気味の、そんなお子さんたちに紹介したい一冊です。 
児童文学とあなどるなかれ、やさしい文章は、とても読者の気持ちに寄り添った形で綴られ、物語の世界へと誘ってくれます。

おれ、こと主人公の拓人と友人達の3人組は、ある一人の老人、田中さんが怪我をする現場に居合わせてしまい、その怪我の原因の一端に関わっていたことから、田中さんの怪我が治るまで、田中さんの身の回りのお世話をすることになるのですが、
とにかくこの田中さんが、菩薩のような人で、いつも感謝の気持ちを忘れず、ニコニコと人当たりの良い、大人から見ても見習うべき所の多い人物なのです。
そんな田中さんの丸い人柄に関わっていくうちに、心がトゲトゲしていた拓人も、次第に変わっていきます。
大人ってうるさいなあ。ウザイなあ。
そんな風に感じているなら、この本を読み終える頃には、きっとご自身の丸い心を取り戻せていることでしょう。

雪見酒さん 52歳 女性
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