この夏に起きた、令和の米騒動が、まだ記憶に新しい10月。値上げの秋がやって来た。

今回の米騒動で打撃を受けたのは、市井のあらゆる人々で、特に貧困層であろう。

食材の値上げも関係し、貧困層に無償支給されている食料品が減ったり、子供食堂運営危機になっている。

給食費を払えないご家庭の存在が昨今浮き彫りになったが、その延長線上に、アルバイトで学費を稼ぐ他、家計を支える高校生の存在がある。

総務省の「労働力調査」(2023年)によると、労働者全体の約4割が、非正規雇用で占められている。

そして、2024年の、国立がん研究センター発表によると、日本人の2人に1人が、生涯において癌に罹患するとされている。

親の離婚、借金、非正規雇用のように、親が低賃金。そして、親に癌などの持病がある。
それぞれの要因が絡み合い、アルバイトで疲弊している高校生たちの姿が、本書で記されている。

この本で、特に衝撃的だったのが、大学進学のため、800万円の借金を、高校生たちが背負っているという事実である。奨学金、という名目で。

その借金返済は、社会人となっても続き、新たな低所得者を生む。貧困層のループだ。

それらの悲壮な高校生たちの実態調査をしたのが、当書籍だ。

市井の方々が苦境に喘ぐ実態を、是非とも政治に携わる人々に読んでいただきたい。

雪見酒さん 51歳 女性
かつて、看護師として活躍し、今は人々の快適な暮らしを支える工場製品を作っている、1工員です。