東野圭吾氏の原作はよく映画化されますが、この小説はアニメ映画化での公開です。なんとなく性善説に基づくような、悪人にもそうなる原因があり理由がある。そして一見善良そうな人物にも、他人に言えないような過去もある。そんな人物像を通して、いくつもの人生を垣間見せてくれる小説家さんだなと改めて思いました。

クスノキは神社にあるご神木であり、神秘的な力を秘めた存在としてそこにあり、それは代々受け継がれる番人によって管理されている。新月と満月の夜に訪れるひとへの対応と、日中はそのクスノキに落書きなどされないように見張ったり、神社の境内の落ち葉などを掃除したり、暇なときには社務所で事務処理などを任されます。

伝えたくても言葉では伝えられない思いをつないでいく。伝えられなかった相手への思いを、その人なりの形で紡いでいく。清々しく、潔いメロディーが聞こえてきそうな物語です。

みーちゃんさん 56歳 男性

クスノキの番人 ひ1-5 実業之日本社文庫

クスノキの番人 ひ1-5 実業之日本社文庫

東野, 圭吾, 1958- / 実業之日本社 / 2023/4