日本でサラリーマンをしていた著者が、京都市内にある雑貨屋さんで見たペンキアート(ティンガティンガ)に衝撃を受け、アフリカのブンジュ村で絵を学ぶことになります。ブンジュ村で、他の画家より遅れて勉強を始めたことを取り戻すために、著者は1日12時間絵を描き、「1日最低、4枚は描く」と自分にノルマを課します。
でも、この本は日本人画家の閃きや努力を称えるものではありません。寧ろ、ブンジュ村での生活において、「なんでショーゲンはそんなに心に余裕がないの?」「人生をただこなしているようにみえる」「まずは自分の心を満たしてね」「いい作品は、心に余裕がないとできないよ」と言われます。
この本は、幸せとは何か、どうしたら人は幸せに生きられるのか、ショーゲンさんがブンジュ村の人たちから教えてもらったことで満ちています。そしてその教えのルーツが日本人にあったことも。
私はこの本は当分手放したくないです。宝物のように感じています。自分のために日常をとことん丁寧に生きること。人は、長所によって尊敬され、短所によって愛されること等々。
この本を読むと、きっと自分を好きになれます。
みーちゃんさん 55歳 男性