日本人初受賞 世界最高峰のミステリー文学賞 英国推理作家協会賞(ダガー賞)
と、本の帯に目立つように記載されています。
全く知らない作家さんでしたが、新聞で何度も受賞後に宣伝されていたのでずっと読みたいと思っていた作品です。ミステリーで最高峰と言えば、アガサ・クリスティーが思い浮かぶと思いますがイギリス人、、、その英国で受賞というのもまた凄い快挙であることは間違いないと。。
けっこう大きな文字でページ数も多くないのでゆっくり読んでも2時間かかるかどうか、という予測で読み始めたのですが、、途中で「あれ?」と思う事があって前のページを読み返したりで2時間どころではなかったです。レビューでも読み返した人が多いようですが、、最後まで読めば伏線回収ではっきりするので読み返す必要はないのですが、、
さくさく読めますしスピード感もあって面白い本だと思います。舞台は関東有数のやくざの屋敷です。
やくざの話だけあって暴力描写がえげつない部分もあるので、控えた方が良い方には向かないとは思います。主人公の女性だてらに暴力の申し子の依子さんも薬を盛られてあわや輪姦される寸前まで行くし
相方の親分の一人娘はあろうことか嫁に出される前
に実の父親だというのに親分その人に襲われそうになるし、、読んでいて気持ち悪くなる描写がありましたが、、作者は男性だと思って読んでいたのですが、
女性が社会で生きていくのは男性よりも苦難が多いという表現が何か所か出てきて、ひょっとして作者は女性?という疑念が出て来ましたが、女性でした。
女性蔑視という側面が何度も出てくるだけでなく、主人公は混血で外観が日本人とは異なりますし、男気のある主人公の兄貴分も日本人と区別付かなくても生粋の日本人ではなく差別に苦しめられたという
描写もありますので、、奥が深いストーリーだなという感想です。
ネタバレになるので、、あまり詳しくは書けないですが、この本のメインテーマは家族愛?友情?恋人ではないし、ただの友達と言うには深い絆で、、通常では理解できない歪な環境で育てられて普通とは言えない性格や感性を持った2人なので、分かり合えたのかな。
さくさくは読めても理解がとても難しい本だと思いました。登場人物は多くないのですが、内面的な事が深くは全く描かれておらず、やくざの親分と一人娘の関係も親分の数行のセリフ=すぐにでも家政婦として差し出す、、親としての情なぞ全くない、自分の手駒として利用する事しかないんだ、と想像するしかないかと。。
主人公と一人娘の生活もぼつりぼつりと描かれているだけで、、、まあ十分に仲睦まじいんだなと想像はつく表現で察する事は出来るのでそういう意図もあるような気もしますが、もっと言葉多く描いて欲しかったなという感想です。
ページ数が少ない分早く読めても、細説ではなくて想像を巡らせる部分が多い本だなと思います。
さくら咲くさん 49歳 女性





