みうらじゅんさんをご存じですか? ベースは漫画家・イラストレーターですが、
エッセイスト・ミュージシャン・ラジオDJほか多彩な活動で知られ、
「マイブーム」や「ゆるキャラ」を流行らせた、あの長髪で黒メガネの人です。

彼が「マイブーム」や「ゆるキャラ」を「一人電通」によって広めた手法を
公開したのがこの本『「ない仕事」の作り方』。

「ジャンルとして成立していないものや、大きな分類はあるけれど、
まだ区分されていないものに目をつけて、ひとひねりして新しい名前をつけて、
いろいろ仕掛けて、世の中に届ける」のが彼の仕事。

ある意味、ニッチビシネスには違いないのですが、
扱うジャンルがメインストリームではなくサブカルチャーであるところに、
彼の真骨頂があります。

私も、会社員時代もフリーランスになってからも、ニッチに興味を持ち目をつけ、
ビジネスも含め、さまざまな活動を展開してきたため、
「あるある」と共感するところが多くありました。

ただ、根が真面目だったため(?!)、サブカルに興味も目をつけることもなく、
その点では気付かなかった発見もあり、大いに刺激を受けました。

本書では、ネーミングの重要性を説いていますが、やはり、そのセンスは抜群。
「マイブーム」や「ゆるキャラ」はもちろん、いらないみやげもの「いやげもの」、
とんまなまつり「とんまつり」、1日数本しかないバスの「地獄表」などなど、
その言葉のパワーは計り知れません。

また「ない仕事の作り方」の手法説明にも
、「一人電通」や「自分洗脳」、「自分探し」ではなく「自分なくし」といった、
すぐにイメージが涌く言葉を使っているのはさすがです。

2021年の本屋大賞発掘部門「超発掘本!」にも選ばれています。

tomeさん