13巻で完結しております惣領冬美先生の作品です。
13巻が出版されてから、もう一年経過しておりますがまだまだ感動は続いてますね。

13巻最初から全部読まないと、、繋がりが解らないと思いますので、全巻読むことをお勧めします。

チェーザレ・バルボアを知らない人は少ないと思います。実在した歴史上の人物です。惣領冬美先生は人気作家さんでいらっしゃいますし、作品は面白いものが多いので当然のようにこちらの作品も読みました。

イメージ的には、貴族の大家に生れて父親は教皇まで昇りつめて権力を欲しいままにした人物、、でも出世欲しかなくて醜くて汚い一族、、因果応報のように栄華を極めても落ちぶれまくって若死~実の妹のルクレチアに至っては~毒婦とまで言われるくらいに勝手きままで同じく若死~などと思ってました。

本作は、、随分趣が違います。。実際の戦争とか史実はありのままに描かれていますが、、人物の描写が180度違うのでは?というくらいに惣領先生の独特の視線で描かれています。
実際には存在していない架空の主人公アンジェロによってチェーザレや彼をとりまく人々を描写しているという構造になっています。アンジェロがお人よしの好人物として存在しているのはいいのですが、、チェーザレって、こんな人道的というか好人物だったの?
嘘でしょう~?全くの惣領先生の創作じゃないんですか?と??? 何とも疑問ばかり残る作品です。

最終巻13巻は、父が教皇に選出される~教皇選がメインの話でその時点で完結です。どろんどろんの一般人には理解し難いコンクラーベの話も興味深いのですが、、何とも中途半端な所で終了してしまってます。
こちらの本のお陰さまで、チェーザレの事が書かれている文献をあれこれ捜して読む事になりました。チェーザレがやった事象などを見たら、惣領先生の描かれたチェーザレは夢物語っぽいですが、実際にはこんな好人物だったのかも知れないですね。

漫画ではありますが、絵が恐ろしく美しく描かれています。この時代の建造物を見るだけでも、こちらの本は価値があると思います。

さくら咲くさん 46歳 女性