1981年8月に向田邦子さんが
飛行機事故で亡くなってから、38年が経ちます。
向田さんの小説、エッセイ、脚本は魅力的で、
歯切れがよく、どちらかというと男前の印象を持ちます。
向田さんは美意識が高く、
関心のあることにはかなりのこだわりをもつ方ですが、
「食」への妥協なき探求は、食いしん坊という感じで、
親しみが持てます。
この本は、
小説やエッセイからの抜き書きがあったり、
向田さんの写真がたくさんあったりして、
読み物としても楽しめます。
料理は材料が身近なものであり、とにかく簡単。
味は向田さんですから、間違いなし。
妹さんである和子さんの監修なので、
想いのこもったあたたかい本になっています。
ページをめくると、
冷蔵庫の中にある食材で、すぐに一品作れます。
「人生を楽しむ達人」である
向田さんならではのセンスが光る一冊です。
sukoさん 58歳 女性