主人公の心の闇と殺人への渇望、、ぞっとする程恐ろしいストーリーですが引き込まれます。

有名な直木賞作家の東野圭吾氏の作品です。白夜行や幻夜と同系列の作品と言われる事が多いですが、暗鬱な話という点では同系列だと思います。でも、白夜行や幻夜のヒロインは
ずる賢く鮮やかに犯罪を犯し成功するのに対し、こちらの主人公は愚かとしか思えません。。

主な登場人物は主人公と主人公にまとわりついて主人公を地獄へ突き落す相当ねちっこいストーカーの二人です。
主人公を何故憎むのか、、結局歯医者の家庭で裕福で外から見たら幸せに見えただけでねたみをかったという、何とも理不尽な話です。裕福な家庭で育ったボンボンだから簡単に口先がうまいストーカーに何度も何度も騙されて
痛い目に遭わされるという事? いい加減に騙されるなとストーリーが進むにつれ、主人公の愚かさにやきもきさせられます。いろいろとても共感できない点の多い話ですし、病気でほっておいても確実に死ぬ相手を復習の為に
何故殺さねばならなかったのかも、普通の感覚では理解がとても出来なかったです。自分を地獄に落とした相手に
復習=殺人、、殺せば気が済むのかも知れないけれど、、
1人殺しただけでは死刑にはならなくとも、かなりの長期間刑務所暮らしが待っている訳で、、最後の最後まで、、
にっくきストーカーの罠にはまり続ける愚かしい主人公の
哀れな話です。暗いながらも先がどうなるか気になって一気に読めると思います。
恨まれて何度も何度も痛い目に遭わされ人生を棒に振る
ハメになった原因は、、医者という地位があり裕福な家庭だったこと、、本当に人間の心の闇は恐ろしい。。

さくら咲くさん 48歳 女性